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当たり前を疑ってみることで新しい道は開けます! ~ビジネスに活かす孫子の兵法~

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孫子の兵法 無形

長期間にわたって同じ業界・職種で働いているとある程度そこの仕事の流れや動向、今後のパターンが読めてきます。そういった経験を活かして仕事を行っていくことは大切です。しかし長年用いてきた慣習や流れに固執するあまり他にもっと良い選択肢が出てきたにも関わらずみすみすそれを見逃してしまう恐れもあります。これまで培ってきた固定概念をちょっと外してみることで新しい方策が見えてくることもあります。孫子の兵法にもその部分が載っていたので紹介していきます。

 

"兵を形(あらわ)すの極は、無形に至る。無形なれば、則ち深間も窺(うかが)うこと能(あた)わず、智者も謀ること能わず。"

 

軍において究極の態勢は無形になることである。無形であればスパイが深く侵入することができず、知恵者が謀略をしかけてくることもできない、という意味です。

ここで出てくる無形とはただ単に形が無いというよりは柔軟に対応する姿勢のことを指してると考えたほうが良いです。決まりきった行動や考え方ばかりしていては相手にこちら側の動きを読まれてしまいます。状況によって常に対応を変えていくことによりこちらの動きを予測されることを防ぎ形勢を有利に運ぶことができます。

 

ビジネスでこの無形を活かすとすれば思い切って従来のビジネスモデルを転換してみることも柔軟な発想かもしれません。


大手写真メーカーで有名な富士フィルムがありますが、2006年に化粧品市場に参入しました。「写真フィルムのメーカーがどうして化粧品業界に?」っと思った方もいらっしゃると思います。それはデジタル化の波が写真業界にも押し寄せたことが一つの原因です。

 

もともと映画用フィルムメーカーとして創業しそれ以降写真フィルムを主力事業として経営していまいしたが、2000年代に入りデジタルカメラが普及し始めるとその流れに伴い写真フィルム分野の売上高も毎年200億円のペースで減少に入ります富士フィルムが新規事業の参入に舵を切ったのはこうした目の前に迫ってきた危機感があったからだと思われます。

 

化粧品市場に進出するにあたり全くゼロの状態から始めたのかと言えばそうではなくそこには技術的な裏付けがありました。

 

人の皮膚を構成している70%はコラーゲンが占めており、同じく写真フィルムの主成分もコラーゲンです。富士フィルムでは長年の実績でコラーゲンの不純物を極限まで削ぎ落とし、かつ長期間成分を安定させる独自の技術を持っています。また時間の経過と共に発生する写真の色あせを防ぐための抗酸化技術も製品の品質を低下させないために活用しています。こういった技術の結び付きが見事に新たなジャンルに転換を図ることができたのだと思います。

 

今までの経験や実績をいきなりひっくり返して新しいものを行うことはなかなか難しいものがあります。しかし現在ある常識を疑ってみることで考えもしなかった別な道が見えてくる可能性が出てきます。一度は自分が現在あたりまえの様に持っているスキルや強みを客観的に洗い出してみることも大事ではないでしょうか。